前回の記事【不登校からの受験〜どんぐりさんの場合〜その1】の続きです




ある日、担任の先生からお電話がありました。
「今の成績と内申では公立高校は無理です。でも本人は公立にこだわっている。
『高校生になりたいなら、私学を専願でうけたほうがいいかも』と息子さんに言ってしまいました」というお話でした。

テストの点は徐々にあがったとはいえ、提出物をきちんとだしていない事により、公立に行く為に必要な、内申点がほとんどありません。
最終的に志望校を決定する、12月の実力テストも5教科で101点でした。

「今の成績では公立は厳しいです。三学期で一気にあがることも難しいです。
今度の三者懇談までに息子さんと相談してくださいますか?」と言ってくださいました。

主人も辛かったでしょう。
長かった苦しみから解放され、ようやく仕事に復帰できました。
その時を待っていてくださったかのように、絶妙のタイミングで、藤本先生・訪問の先生方が入ってくださいました。

なぜ私立は嫌なのか?その理由は?

ひとつひとつ解きほぐすように、息子の心に問いかけていってくださったようです。

私も家族もお金の心配はいらないと言ってきましたが、息子の中ではその心配が大きかったようでした。
親の心にある何かを感じとっていたのでしょう。

藤本先生の言葉は、いつも息子の心にスッと入っていきます。
あれほど頑なだった息子の気持ちは、一気に私立に傾きました。

三者懇談では、先生と子ども中心で進めていくようにと藤本先生からお話がありました。
息子とは塾の先生も薦めてくださった、比較的不登校を経験した子が多く、学校も不登校に対して理解のある全日制の私立にしようねと話していました。

席につくと、迷うことなく「私立の専願で○○を受けます」と先生に伝えてました。
「提出物ちゃんと出してたらよかった…10月に勉強するってきめたのに、できなかった。やったらよかった…」
「高校ももっと調べたらよかった」
「一年生に戻って、もう1回勉強やり直したい」

親が聞いても返ってこないような言葉を担任の先生は引き出してくれます。
息子の口からでるのは後悔と反省の言葉でした。
ボソボソとした話し方でしたが、自分で選んだ言葉で一生懸命に話しています。

どうして今まで私立が嫌だったの?と先生に聞かれ、「家のお金が心配で私立を考えなかった」と、小さな声で答えました。
直接耳にした息子の本音に、親の私こそこの子の気持ちを考えてきたんだろうか、と急に込み上げる涙をこらえるのに必死でした。

ゲームばかりしている、
提出物をしない、
補習にでない、
塾の宿題をしない、
友達に心を開かない…

息子の表面だけを見て、苛立ち、勝手に不安になっていた。
本当に不安だったのは息子だったのかもしれない…
反省の言葉を並べるべきなのは、私のほうだ…
親として、心からこの子を信じていなかった…

目標が決まってから息子はS先生のアドバイスどおり単語を覚えだしました。
気づくのは少し遅かったですが、初めて自分から進んで勉強しだしました。

オープンスクールにも行かず、私が薦めた高校を受験しようとしていましたが、学校で進路委員会にかける寸前に、突然違う高校を受験したいと言い出しました。

高校受験の分厚いガイドブック…ちゃろさんが、前年息子さんの受験で使われたものを譲ってくださいました。
息子が自分から開けることはないだろうと思っていた置きっぱなしになっていた本を、ギリギリになって本気で読んでみたのでしょう。

資格がとりたい…息子はある高校を選びました。
その高校は、私の中で評判は悪い部類に入っていました。塾の先生も、どちらかと言うとヤンチャな子が多いので、息子さんには合わないと思うとのお話でした。

只でさえ、神経の細かい子です。そんな環境の中でやっていけるのか…
言いたい事は山ほどありました。
でも、この子が行きたいと思った高校は学力が足らずにどれも諦めなければならなかった。
今、行きたいと思う高校は学力面なら頑張れば十分いける。
高校でやっていけるかどうかは、この子の頑張り次第。
この子の力を信じよう。

藤本先生に相談するといろいろ心配はあるけど、本人の意志を尊重しようということで、学校に連絡をして受験校を変更しました。
受験校を絞ってからは、やる気がでてきたようです。

1月に入り、闘病していた母が亡くなる前後は、私も悲しみと忙しさに息子の様子に気を配る余裕がありませんでした。
夜中にふと目が覚め、電気のついたままの部屋を覗くと、テレビを視ているのではなく、勉強している息子の姿がありました。

2月、いよいよ受験となり友達と一緒に入試を受けにいきました。そして数日後、嬉しい知らせを受けとることができました。

支援の先生方、学校の先生、塾の先生、友達…復学から受験、卒業までたくさんの人達が関わり、支えてくださいました。

最後の最後に息子は、自分で受験校を選びました。
高校生になり、自分で選んだ事で親のせいにできなくなったのか、学校での少しくらいの嫌な事も自分で対処するようになりました。
(ご家庭の状態により、親が選んだ方がよいケースもあると思います)

評判よりもずっといい学校で、英語などの資格をとりたいと目標を持ち、少しずつ動きだしました。
まだまだ心配な事はありますが、友達、先生、勉強、ひとつずつの関わり、経験が息子の土台になっていってるようで、苦しんでいた呑気症も、いつの間にか気にならなくなったそうです。

今、受験を控えている親御さんはいろいろな状況におられると思います。
受験とともに、家族の問題、子どもさんへのいろいろな心配事、次から次へとでてくる不安に、私のように子どもを信じきれず、負けそうになることもあるかもしれない。
でも、どうかその不安に負けないで子どもを信じてほしい。

来年の春には、たくさんの笑顔の花が咲くように願っています




≪どんぐりさんの記事≫


不登校から復学支援を選んだcase


不登校からの受験〜どんぐりさんの場合〜サクラ咲く


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